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ー新人が「苦手意識」を持ちやすいアレについてー

看護師初心者が申し送りで緊張しないポイント

看護師の仕事の中で、申し送りが苦手だという人は多いです。特に新人看護師は緊張してうまく話せない、先輩からの視線が怖いなどといった理由でできれば避けたいという声が多いです。しかし、看護師として働く以上、申し送りは患者さんに質の高い看護を提供するために必要なものですから避けるわけにはいきません。

申し送りを上手にするためには、事前に申し送りの際に伝えなければならないことをしっかりメモにまとめておくことです。ただ、メモに殴り書きするのではなく、後から見直してもすぐにわかるように自分なりに書き方ルールを決めておきましょう。

そして、話す順序も大切です。メモを作ったら、優先順位をつけて大事なものから話すようにします。話す順序を自分で決め、自分の「型」を作っておくと申し送りのたびに緊張することは減るでしょう。

話す時は「ゆっくりと、大きな声で」が大切です。緊張すると早口で話しがちですが、ちょっとゆっくりかな?と思うくらいでちょうど良いのです。大きな声を張り上げる必要はありませんが、自信を持って話すようにしましょう。

申し送りでは、他の人の話も聞くことになります。同期や先輩で、申し送りが上手だなという人が必ずいるはずですので、その人の申し送りを参考にすると良いです。申し送りが上手な人に、コツを聞いてみるのもおすすめです。

メモを作り、話す順序も決めたらあとは練習をするのみです。看護師初心者の申し送りは、最初からスムーズにできなくてもそれほど気にすることはありません。重要なことは必ず伝えるということを心がけ、慣れていくようにしましょう。

申し送りの目的と現状について

交代勤務が行われている病院や施設では、勤務を交代する時間帯に患者や入居者の状況を引き継ぎます。また、手術室や検査室、そして他の病棟の看護師に、患者の状態などを伝えることをします。これを、申し送りと言います。この申し送りをすることで、交代する勤務者に正しい情報を伝え、同じケアを提供することができます。

患者や入居者の情報は、電子カルテや紙カルテ、掲示板やカーデックス、そして申し送りノート、クリニカルパスなどで共有しますが、これらを使っても伝えきれないことがあります。そこで行われるのが、それぞれの勤務の始まりと終わりに行う申し送りなのです。

勤務者が変わっても、患者や入居者に同じ看護、ケアを行うことは大切です。勤務者が代わるたびに違うケアを行われても患者や入居者は戸惑うでしょう。同じケアを提供するために申し送りは大切なことなのですが、この申し送りが看護師の負担となっているのが現状です。

どんな点が負担なのかというと、うまくまとめられずに時間がかかってしまう、ナースコールがあると申し送りが中断してしまうことがある、内容がかぶる、そしてベッドサイドとナースステーションでの申し送りの2つが必要となるため負担が大きいといったものです。

このような現場の声から、最近では申し送りの廃止を検討し出す病院も出てきました。しかし、全く廃止してしまうとどうしても連絡の不備等があり、患者や入居者を困らせることになるため、効率的に行うようにする取り組みが始まっています。

※本記事を書くにあたり以下サイトを参考にさせていただきました:『看護の「申し送り」について学習しよう